「脱走したうちの子を、リアルタイムで追いかけたい」――その願いを叶えるのが、犬・猫用のGPSトラッカーです。ただし「GPS」と名のつく製品は仕組みも費用もバラバラで、月額料金の見落とし・重さのミスマッチ・そもそも猫には重すぎたといった失敗が起こりがち。
この記事では当編集部が、2026年7月時点の現行機をもとに、GPSトラッカー選びの5つの基準とタイプ別のおすすめを解説します。先に一番大事なこと:ほとんどのリアルタイムGPSは月額制のサブスクが必須で、充電も必要です。「買い切りで一生使える魔法の道具」ではないと理解したうえで選びましょう。
時間がない人へ:小型犬〜中型犬ならTractive(本体約6,900円+月500円〜)、猫には軽さ最優先で日本製の「ねこなら」(20g・猫特化)が有力です。位置追跡までは要らず健康・行動を見たいだけなら、GPS非搭載の活動量計(Catlog)という選択肢もあります。
※価格・仕様は2026年7月時点で各メーカー公式サイトを確認したものです。価格・月額プランは変動するため、最新情報は各リンク先でご確認ください。
まず整理:GPS・AirTag・マイクロチップは役割が違う
迷子対策のデバイスは3種類あり、混同されがちですが役割がまったく違います。
| デバイス | できること | 費用 | 追跡 |
|---|---|---|---|
| GPSトラッカー | リアルタイム位置追跡(首輪型) | 本体+月額500円〜 | ○ 常時 |
| AirTag | すれ違うiPhone経由の位置手がかり | 本体のみ(4,980円〜) | △ 人がいる場所のみ |
| マイクロチップ | 保護された後の身元証明 | 装着数千円+登録 | ✕ 不可 |
GPSトラッカーだけが「今どこにいるか」を秒〜分単位で追えます。AirTagの仕組みと限界は猫にAirTagはあり?、マイクロチップとの違いはマイクロチップとGPSの違いで詳しく解説しています。この3つは排他ではなく、重ね掛けが最強です。
GPSトラッカー選び・5つの基準

基準1:月額料金(サブスク必須が大半)
リアルタイムGPSは携帯回線を使うため、本体代とは別に月額料金がかかります。TractiveやねこならはSIM通信費として月458〜980円程度。「本体が安い!」と飛びつくと、年間5,000〜12,000円のランニングコストを見落とします。購入前に必ず月額を確認してください。
基準2:重さ(体重の3〜5%以内・猫は20g以下が目安)
動物にデバイスを装着する研究(バイオロギング)では、デバイス重量は体重の3〜5%以内が推奨とされ、これはCatlogのメーカーRABOも採用する基準です。首輪本体の重さも加わるため、小柄な猫ほどシビア。猫用GPSは20g以下が望ましく、重すぎると擦れによる脱毛やストレスの原因になります。
基準3:対応体重(小さい子は選択肢が限られる)
多くのGPSは「体重○kg以上」という下限があります。たとえばTractiveの従来モデル(35g)は猫は4kg以上が推奨。3kg前後の小柄な猫や子猫には、より軽量な猫特化モデル(ねこなら=20g)が向きます。
基準4:バッテリー・追跡間隔・防水
- バッテリー:数日〜数週間と幅があります。頻繁な追跡(LIVEモード)ほど電池が減ります
- 追跡間隔:Tractiveは2〜3秒間隔のLIVE追跡、「ねこなら」は2〜60分間隔で秒単位のLIVEには非対応、と機種で差があります。緊急時に秒単位で追いたいならLIVE対応機を
- 防水:屋外に出る子はIPX7/IP65以上を。雨天・水濡れに耐える等級を確認
基準5:安全バックル(セーフティ首輪は必須)
首輪型デバイスは、強い力が加わると外れる安全バックル(セーフティバックル)が大原則です。木の枝や柵に引っかかったとき首が絞まる事故を防ぎます。「ねこなら」やTractiveの猫向けモデルは安全バックルを採用しています。装着型を選ぶときは必ず有無を確認してください。
タイプ別・現行GPSトラッカー
小型犬〜中型犬の定番:Tractive
世界的に使われるGPS首輪。日本で流通する従来モデルは本体約6,900円+月500円〜(2年契約時)、35g・IPX7・バッテリー最大約7日・2〜3秒間隔のLIVE追跡。運動時間・消費カロリーを記録するアクティビティモニターも内蔵し、GPS+活動量の両取りができます。猫は4kg以上が推奨(35gの重さのため)。
- ✅ メリット:秒単位のLIVE追跡・世界的な実績・活動量も計測
- ⚠️ デメリット:35gは小柄な猫には重い。海外の新モデル(CAT 6 Mini等)は日本の正規流通・価格が要確認
猫に軽さ最優先:ねこなら(日本製・猫特化)
猫のために設計された国産GPS首輪。約20gと軽量で安全バックルを採用、初回6,800円+通信費980円/月。Wi-FiとLTE-M(Cat-M1)を自動切替します。ただし追跡は2〜60分間隔で、秒単位のLIVE追跡には非対応、バッテリーは最大3日ほど。「常に秒で追う」より「脱走時にだいたいの位置を掴む」用途向けです。
- ✅ メリット:20gの軽さ・猫特化設計・安全バックル・国産サポート
- ⚠️ デメリット:秒単位LIVE非対応・バッテリー約3日と短め
小型犬・多用途:まもサーチ3
もともと子ども見守り用ですが、ペット用ソフトカバーが公式提供されている39g・IP65のGPS。本体約5,000円前後+月458〜500円で、頻度優先1〜2分/省電力3〜4分間隔、バッテリーは最大6週間と長持ち。39gなので小型犬〜中型犬向き(猫にはやや重い)。
- ✅ メリット:長いバッテリー・手頃な月額・ペットカバー公式対応
- ⚠️ デメリット:秒単位LIVE非対応。39gは猫には重め
中型犬以上:あんしんウォッチャーLE
KDDI(au)の見守りGPS。約53g・月額539円で、LTE-M+GNSS+Wi-Fi測位。ただし約53gと重く、猫には非推奨、犬も中型以上向けです。子ども・高齢者・モノの見守りと兼用したい家庭向け。
- ✅ メリット:大手キャリアの安心感・多用途
- ⚠️ デメリット:53gは重い(小型犬・猫は不可)
犬の散歩・運動量管理まで見据えた比較は犬の散歩用GPS・活動量計おすすめ5選で詳しく扱っています。
GPS非搭載の「活動量計」という選択肢
「脱走の心配は少なく、健康や運動量を見守りたい」なら、GPS非搭載の活動量計が向きます。代表格のCatlog(キャトログ)ペンダントは、ベルト込み10g未満と軽く、食べる・走る・寝る・水を飲むなど7種の行動を記録。位置追跡はできません(重量配慮で意図的にGPS非搭載)が、行動の異変を早期に察知する用途に優れます。健康記録の活用はペット用体重計・健康管理アプリ活用術もどうぞ。
正直解説:GPSトラッカーの「限界」と注意点
- 月額と充電から逃れられない:リアルタイムGPSは通信費(月458〜980円)と定期的な充電が前提。これを許容できるかがすべての出発点です
- 「体内埋め込み型GPS」は存在しません:GPSは電池が必要なため体内に埋め込めません。「マイクロチップにGPSが入っている」は誤解で、追跡できるのは首輪型のみです(マイクロチップの正しい理解はこちら)
- サービス終了リスクに注意:「月額不要」をうたう一部の海外製(PetFon等)は、アプリ提供やサポートが終了しているとの指摘があります。アプリ依存の製品は、日本での現行サポートを確認してから買いましょう
- 販売休止・世代交代に注意:人気の活動量計PLUS CYCLEは2026年7月時点で販売休止中など、状況が変わります。購入時は最新の販売状況を確認してください
- GPSは「脱走を防ぐ」道具ではなく「脱走後に追う」道具です。まずは脱走防止ガイドで出さない環境を、そのうえでGPS・マイクロチップの備えを重ねるのが王道です
こうした限界があるため、GPSを付けていても「見つからない時間」は発生します。その時間に何をするかで結果が変わるので、脱走・迷子になったときの探し方と初動もセットで用意しておくことをおすすめします。
よくある質問
Q. 猫に一番おすすめのGPSは?
A. 軽さが最優先なので、20gの国産「ねこなら」が有力です。ただし秒単位のLIVE追跡が欲しい・4kg以上の大きめの猫ならTractiveも選択肢。重さと追跡間隔のどちらを取るかで決めましょう。
Q. 月額なしのGPSはありますか?
A. LoRa等を使う月額不要タイプは存在しますが、追跡範囲が親機からの距離に依存し、製品によってはサービス終了リスクもあります。安定運用なら月額制の携帯回線型が無難です。
Q. GPSがあればマイクロチップは不要?
A. いいえ。GPSは首輪が外れたら追えません。体内にあるマイクロチップは「保護されたときの最後の身元証明」として役割が別です。両方の備えが理想です。
まとめ:月額・重さ・安全バックルで絞る
- 小型犬〜中型犬:Tractive(秒単位LIVE+活動量)/まもサーチ3(長バッテリー)
- 猫:ねこなら(20g・国産・安全バックル)。大きめの猫はTractiveも可
- 中型犬以上・多用途:あんしんウォッチャーLE
- 位置追跡は不要・健康見守り:Catlog(GPS非搭載の活動量計)
デバイスは重ね掛けが基本です。脱走防止ガイドで環境を固め、AirTag・マイクロチップと合わせて、うちの子の迷子対策を万全にしましょう。


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